誕生!MX-6!! |
情熱的なカルメンの音楽,猛然とダッシュする闘牛。そして真紅のクーペが走り始める・・・
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黒のバックに,艶々の紅のボディーがそれに映る光と影を贅沢に取り込んで,大人の色っぽさを解き放っている・・・
1992年1月,新生MX-6はこうしたCMの放映とともに,日本に登場しました。
「MX-6」の名は,先代カペラの2ドア版「C2」の輸出名として扱われていました。
カペラC2はスポーティーモデルではあったものの,まだまだ「パーソナルクーペ」「コンパクトクーペ」のクラスにありました。
しかし,世は高級化志向時代。「スペシャリティークラス」へと参入する為に,世界共通名として,MX-6は誕生したのです。
C2と比較すると,何もかもがサイズアップ,高級志向化がなされました。
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ボディーサイズはもちろん,エンジン,タイヤもサイズアップ。インテリアはRX-7と同様の「ドライバーオリエンテッドデザイン(操作系がすべて運転席側に向き,操作性・視覚性の向上を図る)」。インテリアの質感について車雑誌では批判的に書かれることが多々あった,マツダ車ではありますがこのMX-6は例外。
各雑誌のインプレッションは上々の評価でした。
この高級志向と質感はMX-6のカタログでも大きく取り上げています。そこには解説の言葉などは無く,デザインコンシャスなクーペであることを訴えるがごとく,徹底的なフラッシュサーフェース化とそこから生み出された光と影の融合を堪能させるようなページとなっています。
カタログの内容としては,まず,最初は,MX-6の外観を写したもの。
そして,中盤からはエクステリア・インテリア・エンジン・シャーシーなどの具体的なメカニズムについて説明していきます。
エンジンでは,フラッグシップのV6,4WSを大々的に説明。そのキーワードは”PASSIONE(情熱)”。
インテリアではすべての装備に「オート」がつき,機能性を重視した高級性をアピール。
オーディオに至っては,トランクの1/3をウーファースペースにしてしまった,「BOSEアコースティックウェイブ・ミュージックシステム」のオプション設定。オプションではあるものの,この説明に半ページを費やすほどの力の入れようです。
でも,実際,すごいシステムだったんでしょうねぇ。(私は聞いたことがありません。)
エクステリアでは,イメージ色であるビンテージレッドについては,ハイレフコートによる塗装で高級化をアピール。
そして,テレビCMでは,まさに”情熱”がテーマ。
BGMはフラメンコチックな音楽。ラテンの情熱をアピールしまくりです。
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キャッチフレーズはラテンの旋律。
グラマラスなボディーに「光と影のデザインは車の向きによってこんなにも表情が違うんだ!」というのを表現するのに十分な180°回転です。
そしてエンディングへ。MX-6のデザイン性と持って生まれたスポーツマインドを十分にアピールしているのではないでしょうか。
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この”情熱”に関しては,プロモーションビデオでも十分にアピールされています。
ビデオの進行は2つに分かれています。
1話目は,男と女のラブストーリー。男が北イタリアの町からローマで待つ彼女の元へとMX-6を走らせる・・・心なしか,街中を通り過ぎるMX-6を通りかかりの人の多くが振り返っているのは,演出か,それとも偶然か・・・
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2話目はクルマ好きなイタリアの人は以下にクルマにラテンの情熱を注いでいるか。ココに出演されているカーコレクターはフィアットをはじめ,フェラーリアルファロメオと数多くのラテンの血統を持つクラシックカーをコレクションされています。
なぜ,こんなに集めたか。一台一台に対する想いと共に,それらのクルマに対するこだわりを説いています。
時,バブルの絶頂期。
しかし,MX-6は「高級感」,「装備満載」よりも,「所有する喜び」と「こだわり」をユーザーに求めたのではないでしょうか。