先日,某自動車雑誌の増刊号として,「BEST HIT MAZDA」と言う雑誌が発行されました。「マツダファンA級保存版」なんて銘打っているので,とてもうれしくなって買ってみたら,ちょっとがっかりしてしまいました。

読者に人気投票をしてもらい,上位1〜30位を主に掲載し,インプレを加えているないようですが,とても,マツダ好きな方が編集したとは思えないインプレが目立ちました。

頻繁に目にする言葉が,

  1. 「傾き始めてしまったマツダに拡大したラインアップを支えることはできず・・・」
  2. 「バブル崩壊が本格化した後は泣かず飛ばず・・・」
  3. 「冒険的なスタイルは受け入れられず・・・」

そして,1位〜3位は,ロードスター,FDのRX-7,FCのRX-7とお決まりのパターン。
(イヤ決してこれが悪いと言うわけではないんです。私も,この三車は大大好きですよ!!)

問題なのは,MX-6が29位!低い。低すぎる。しかも,ビンテージレッドの鮮やかなカラーは無く,モノクロページ。
etudeにいたっては,写真も無い圏外。

唯一の救いは,BGファミリアが,10位で,「・・・(中略/最近のファミリアは個性が希薄なことを書いている)そういう意味では,このBG型というモデルはまさしくファミリアらしいファミリアだったと言うことができる」と書いてあったこと。

話は戻って,この雑誌を見た人はもうMX-6なる車に興味がなくなってしまうのではないか?と言う危惧が私を襲い,ここに,MX-6をもっと誉めてあげようと思い,このページを企画しました。

もっと,MX-6のいいところを知って欲しい!もちろん,×な部分も知って欲しいと思います。


エクステリア

インテリア

CMコピーは「ラテンの旋律」。このときのマツダのデザインコンセプトは「ときめきのデザイン」。そして,「クラシックモダン」。マツダはこのとき,提案型の車作りを目指したのです。市場の動向を調査して,ニーズに合わせた車を提供するのではなく,「こういう車を作りたくて作ったのですが,みなさんはどうですか?」と,提案し,共感したユーザーが車を選ぶ,そんな車作りを目指したのです。

ですから,このときのマツダはどの車種も個性的です。(逆にいえば,大衆受けせずにコアなファンが増えてしまった。)

MX-6もしかり,光と影が微妙に形を浮かび上がらせ,そのグラマラスなボディーをさらに浮き上がらせます。しかし,どこか懐かしさを感じさせるデザイン。

また,RX-7,センティア同様に,キャビン部分を真ん中から切ると凸型のようなボディ形状となり,どこか,Gr.Cカー的なデザインを感じさせます。さらに,運転席から前方を見れば,ボンネットの両側が膨らんでおり,さながら,Gr.Cのフロントカウルを思わせます。

私の目と言う色眼鏡からいうとどこから見てもぞくぞくするデザイン。どの角度から見ても見惚れるデザインです。フロントからはなんとなくしなやかな猫のような女性のような感じが漂います。

スタイリングはよく「間延びした」という言い方をされています。5ナンバーサイズになれた日本人の目には低い車高,幅広なボディー,長いホイールベースにより,こう見えているのでは?と感じます。私の目から見ても,間延びした感じは認められます。しかし,それが悪いかと言えば,かえって,またもや猫が姿勢を低くして飛びかからんとする格好をしているみたいで,かっこいいのです。

と言うのは,欧米にはかなり評判がよかったから。

MAZDASPEEDのカタログにも、MX-6の欄で,このことを触れています。でも,それでもかまいません。それでこそ,MX-6なのですから。もし,MX-6がバカ売れして,世の中にあふれ返っていたら,私は買わなかったでしょう。そんな自分だけの車と感じられる自己満足感が持てるのも,この車のいいところなのですから。

 

FD3S RX-7のインテリアを踏襲しているのか,コンソール部分が運転席側に向けられています。こういうところからも,この車はドライバー重視の車とわかります。RX-7ほど,走りにこだわってはいませんが,スポーツと快適性,デザイン性を総合してみた場合,どれにも当てはまるようにしたのが,MX-6のインテリアだと思います。

よく,マツダ車は,内装の質感が悪い,と評されますが,このMX-6は別。当時の私がよく見ていた自動車雑誌でも,そんなに悪評はありません。

そして,さすがに,バブル期の車だけあって,快適装備は至れり尽せり。オートとつくものはすべてついている,といった感です。確かに,クラウンとかには負けてしまうでしょうが,今の時代,こんな快適装備のクーペってあります?(あっ,シルビアはこんな感じかな?)

また,幅広ボディーで,ボンネットの両端が丸いくせに,なぜか前方の距離感はよくつかむことが出来ます。

最後に,悪いところ・・・やはり狭いかな。リアシートは話したくありません。女の子とか背の低い人なら大丈夫でしょう。180cmの私は,リアシートにまっすぐすわることが出来ません。(座高が高いと言う話もありますが・・・)

運転席,助手席については,十分ですが,横方向が狭く区切られているのか,etudeには,すんなり入ったRECAROのシートも,ぎりぎり入る程度です。リクライニング調整のダイアルとドアトリムが接触しています。また,ブリンプ製のベースとシートレールですが,ベースは問題ありません。シートレールは,ベースフレームと固定するところが高さが3段階に調整できます。しかし,一番低い位置にしようとすると,その調整部分の下部と内装が干渉します。しかし,一番下にセットしないと,逆に座面が高くなってしまいます。

私は思い切って,調整可能な部分を切り落として,一番低い位置にのみでシートを取り付けています。

 

エンジンとパワートレイン

走行性能

「やはり,この排気量でのV6エンジンは低速トルクが苦しく,市街地での取り回しには向いてなかったためいまいち不評だった。」  これは,BEST HIT MAZDAにあった一文です。

うちのMX-6は,アイドリング状態でも,クラッチをつなぐだけで前へ進むんですけどねぇ。おまけに,市街地では,アクセルは半分以上はほとんどあけません。それでも,前走の車につかえてしょうがありません。

街中で、多少不精したって,エンジンは音をあげません。平坦な道であれば,30km/h・5速でも加速していきます。アクセルも,フルに踏む機会なんて街中ではそうありません。そんなことしたら、周りの人も,自分も危なくてしょうがない。それくらい加速は強烈です。ラフにクラッチをつなごうものなら、1,2速はもちろん,3速でもホイールスピンしますよ。

これは,エンジンはもちろん,高めに設定されたギヤレシオとあいまっていると思います。
なんせ,5速・100km/hで3000rpmを越えています。30km/hにつき1000rpm増えると言う感じでしょうか?
これはかえってうるさかったりしますけど。

それはそれで,高速道路でも,シフトダウンせずに十分な追い越し加速を行います。それほどアクセル開度に敏感なのではと思えるほど,調整しないと,法廷速度を守るのには気を使う位ですよ。

ですから,アップ・ダウンの激しい道でも,ほとんどシフトダウンする必要は無いくらいです。

これは,もう一台の我が愛車,BGファミリアで高速を走ると痛感しました。いくら元気のいい1.5gDOHCエンジンでも,ちょっと勾配がきつくなると車速が落ち,シフトダウンし,加速をして,またシフトアップ,ロックアップをし,また車速が落ち始める・・・これの繰り返しです。(ATの場合はね。MTはまた違うかもしれませんよ。)

と言うことで,今まで,別に遅くて悔しい思いや不満をもったことはありません。限界走行となるサーキット等ではかないませんが,そうではない一般公道では他の280psマシンにもゼンゼンついていけない,と言うことはありません。

280psカーに乗ったときには,確かに速い。けど,びっくりするほどではない。MX-6は車重1.2t。現在の車では,テンロククラスの車重と同じなのです。ここら辺にもその理由があるのかもしれませんね。

私も,過去何回か280psカーに乗っていますが,限界的な性能はムリとして,通常〜スポーツ走行では,そんなに大差ないのでは?と,思うのは,言いすぎでしょうか?
etudeから,MX-6に乗り換えたとき,その桁外れな加速に度肝を抜きました。怖いくらいに曲がるMX-6に舌を巻きました。

足回りに関しては,別にお話しているので,省略します。

MX-6の特徴と言えば,4WS。設定の無い車もあるようですが,マイナー前モデルは4WSが標準だったと思います。4WSの足回りは当時の雑誌でもあまり評価されていません。

でも,慣れてしまえば,とてもいいものです。

高速のレーンチェンジは,よく4WSの長所としてあげられます。確かにそうです。ハンドルを気持ち動かすと,スーっと滑らかに向きが変わります。とても,安心です。かえって,4WSでは無い車で,高速を走ると「不安定だな」と感じることさえあります。

また,小回りもききます。車庫入れが容易です。逆にファミリアで車庫入れすると目測を誤ってしまうくらい回ります。同じようなクラスの車が切り返しをしないといけないような転回でも,らくらく転回を行えます。

また,雪の日も違いますよ。もちろんスタッドレスタイヤを履いた場合ですが,たとえば,再度を引いてリヤを滑らせたとします。少しのステア修正で,立ち直るんですよ。確かに,2WS車よりもリヤタイヤは,すべる方向と直角に近い角度で雪を掻いているんですからね。ですから雪の日はとても安定しています。冬になると,私はよくスキーに行くのですが,まだ,チェーンを装着したことがありません。(過信は禁物ですけどね。)

 

快適性・ユーティリティー

3ナンバーの車にしては,ロードノイズをよく拾います。したがって,履くタイヤの性格によってずいぶん音が変わると思います。レグノのような快適性重視のタイヤであれば,静かですし,ハイグリップタイヤを履かせれば,それなりにうるさい。

あと,後ろ側の遮音性が悪いのか,雨の日のリヤタイヤからの水しぶきを上げる音がとてもよく聞こえます。

室内は前述によって狭いですが,リヤトランクは広いです。高さは低いですが,奥行きが大きく,結構入ります。その気になれば(あまりなったことは無いですが),リヤシートを倒せば,リヤシートからトランクルームにかけてフラットな空間が生まれ,人が十分横になるスペースが出来ます。

と言うことは,もちろん,室内にスキー板を置けるスペースが出来ます。私のスキー板は198cmですが,2分割されたリヤシートの片方を倒してスキー板を積んでいくこともあります。

もちろん,MX-6用のフックを購入すれば,スキーキャリアも乗ります。

最近,スノーボードやスキー板を室内に積んでいる某RV車のCMが結構ありますが,そんなのMX-6でも余裕で出来るんだい!