etudeのかほり・・・etudeの悲劇

 

世の中には定番と呼ばれるものが多々あります。自動車の「定番」に1980年代に,真っ向から対抗したのが,etudeでした。

当時,ハッチバックモデルといえば,若者の定番でした。ホンダならシビック。トヨタならカローラU。

もちろん,マツダならファミリアです。しかし,マツダはここから派生モデルを登場させました。

今までとは一線を画する,エクステリアデザインです。3ドアハッチバックではありますが,角と丸が融合するボディーライン。細目のヘッドライト。大きいリヤランプセット。そして最大の特徴がピラーレスのように巧みにデザインされたグラスハッチ

それは,都会的雰囲気を意識し,また,マツダが「提案型」の車創りを目指し始めた頃のスタディモデル。

市場調査を完璧に行い,それを重視し,万人受けする80点主義。

そんな当時のよく売れた車作りとはまったくの作り方でした。

「こんな車を作ってみました。いかがですか。」

したがって本当に気に入った人しか買わないと言う,マニアックな車となってしまいました。

しかし,気に入って手に入れた人の満足感は私も含めて,相当なものになったはずです。

唯一悲しかったのは,こういったコンセプトのEtudeを当時の車雑誌の評論化が酷評したこと。

インテリアはファミリアと変わらない。」,「現行ファミリア開発時に却下されたデザインでは?」・・・云々。

プロがそんな酷評をすれば一般人もその気になってしまう・・・。さらに「マイナー車」化に拍車がかかりました。

etudeとは,そんな悲劇な車だったのです。

が,しかし,気に入った人に買ってもらえば,当然大事にされるのも事実。

それを考えると,3年後の下取りを考えて買われる車よりも,とても,幸せな車なのかもしれませんね。