平床山をゆるやかに下れば、大日山(161m)に出る。この山も、村有林開放の頃までは、小木芝生の広場があり、五本の老松が聳え(後年松くい虫の被害で枯死した)その根元には、大日如来の石仏が一体安置され、近くには清水も湧出していた。大日山から眺める倉吉方面と東郷湖周辺の景色は、特に絶景である。登山者や、朝草刈りの農家の人々など、足を止めて石仏を拝み、素晴らしい眺めに一服の休息をするなど、多くの人々から親しまれた山である。終戦後は青年団が管理したが近年は手入れする人とてなく、荒れるがままで、昭和62年頃には石仏も行方不明となってしまった。
この山の再興を願って昭和末期から、倉吉青少年育成協議会などが整備を図ったが不十分であり、平成6年から西郷地区振興協議会を中心に、小学校PTAの協力もあり、本格的整備に着手した。急坂には段々を設け、分岐点等には案内標柱を建てた。大日山頂上には、草木を片づけて広場を再生し、石造の方位盤を設置した。さらに平成9年12月には地区民の浄財を集めて大日如来の石仏を再建した。 |
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