倉吉良品 市場酒店

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酒造日記

  11月12日(水)

午後からいよいよ我々の造る新純米酒の仕込みが大谷酒造で始まりました。
本日は麹米の米洗いです。70%に精米された山田錦を40キロ、タンクで冷やされ10度に保たれた水で洗います。
まずは40キロの米を3等分し洗米用の器具を使い水流を使って米を2分間洗い、その後、同じ温度の水に浸漬させます。透明だった米が水を吸うと真っ白く変わっていきます。
その米が十分に水を吸うまで、坂本杜氏さん(おやっさん)や蔵人が何度も手にとりチェックし40分後にようやく本日の工程が終了しました。
その後、おやっさんのご厚意で酒蔵を案内していただきました。条件が同じ方が安定した酒造りがやり易いと言う事ですべてにおいて温度が重要視され、エアコンなどの機械によって常に同じ条件が作り出されており妙に感心致しました。
明日はこの麹米を蒸して、麹をつくります。それでは又明日。

麹米となる70%の山田錦
坂本杜氏さんとメンバー
水流で米を洗う
米の浸漬状態をこまめにチェック



  11月13日(木)

今日の作業は朝8時半から麹米の蒸しと床もみです。
まず昨日洗った40キロの米を巨大な蒸し器の中に入れます。万遍なく蒸しあがるように均等に米を敷き詰め、ゆっくりと蒸気をかけて徐々に温度を上げていきます。一応、ここまで終わると蒸しあがるまでは30分ほどなので、その間に社長さんにお酒を口利かせて頂きました。どうもありがとうございました。
そうこうしているうちに、米が蒸しあがり炊き立ての米のいい香りにむせながら、米を冷ます作業に入ります。手作業で米を広げては集め広げては集めを繰り返し、温度を下げます。そしてその冷ました米を麹室に搬入し、均等に広げ、麹菌を振り掛けます。さらにその米をひっくり返してもう一度麹菌を振りかけ、後は麹菌が均等に混ざるように念じながらひたすら米をよく混ぜます。約15分ぐらい混ぜてやり、温度計を差込み、布を幾重にも重ねて掛けてやり本日の作業は終了しました。今晩米の温度を一定にし、麹菌に酸素を供給してやる為の切り返しの作業が行なわれます。

土曜日に掛米の米洗いが行なわれますが、麹米の米洗いと同じような作業なので大谷さんにお任せして、次回のアップは日曜日の掛米の蒸しと酒母の仕込みとなります。

蒸し上がりが均等になるように均一に米をならす
麹米が蒸しあがりました
麹菌を振りかけているところ
混ざれ混ざれと念じながら混ぜる


  11月16日(日)

いよいよ、酒母をつくります。前日に洗米された掛米の五百万石を蒸しあげ、機械の中に入れると、適度に冷やされた米がコンベアから出てきます。それを酒母室に運んでその酒米の温度を見ながら、先日作った麹と水と乳酸菌の入っているタンクに入れてよくかき混ぜて本日の工程は終了。これから約14日間、酵母を増殖させていきます。乳酸菌は雑菌の繁殖を防ぐ為に入れられます。
最後に今日作った酒母、4日前の酒母、9日前の酒母の味を見させていただきましたが、今日作った酒母は米の甘さが引き立った米のジュースみたいでしたが、9日ぐらいになると甘味も少なくなりぐっとお酒に近い感じになってきます。

掛米が蒸しあがりました
冷やされた米がでてきます
酒米を入れてます
掛米を入れて混ぜる。重労働です


  11月25日(火)

本日、東伯町に行く用がありましたので酒母のようすを見させていただきました。だいぶん発酵が進んでおり、味をみさせていただきましたが米の甘味もかなり分解されて口に含むと吟醸香がいっぱいに広がりかなりお酒らしく成長しておりました。これがどんなお酒になっていくのか本当に楽しみです。12月2.3日の午前中仕込をすると言うことをおやっさんから伺いましたのでまたその頃に行ってきたいと思います。

だいぶん発酵がすすみました。
どうですか?この感じっ!!


  12月2日(火)

少し勘違いしてました。今日から仕込みが始まると思っていたのですが、実は11月30日に初添が行なわれていたのです。一日の踊りを経ていよいよ今日は中添の日でした。踊りを経て酵母が増殖したタンクにさらに水と麹と掛米を投入します。ここまで来るとほとんど肉体労働です。蒸し器で程よく蒸された掛米をコンベアで下のタンクのある階まで下ろし少しずつ入れていきます。それをかき混ぜ様子をみながら麹をいれて本日の工程は終了しました。いよいよ明日は留添えです。今日よりも大量の麹と掛米を入れます。頑張ってきます。

70%の山田錦の留麹です
一糸乱れぬチームワークで米を運ぶ
これぞ踊りを経た我等が5号タンク
かき混ぜるのも重労働


  12月3日(水)

昨日より大変だと聞いていたので、気合を入れてジャージ姿で登場の私でしたが、他のメンバーは現れず。。。私一人で仕込みに加わりました。物量は昨日の倍もあり470キロの米を投入します。コンベアで下ろされてくる米の多さ。人の少なさでのんびりなんてやっていられません。狭いタンクの通路を走り回りようやく米をタンク周辺に下ろしましたが。クーラーの効いているタンク室の中なのに、汗だくになっての作業でした。今日の掛米の蒸し上がりが少しやわらかく、布に分けた米をほぐしてやる手入れと言う作業もしなくてはなりません。ひとつづつ手を掛けて手入れをしてようやくタンクに米を投入しました。そして最後に留麹を入れもろみが柔らかくなるまでかき混ぜようやく仕込みが完了しました。今日は本当にバテました。
それと今日は定例会でネーミングが決まりましたよ。勇翔です。来年の1月には無濾過 搾りたて 生 原酒として早速市場に出す事になりました。期待してくださいね。

留添前のもろみです
昨日より約倍の大量の米をいれました
米投入作業
仕込を終えたもろみ


  12月10日(水)

仕込を終えて丁度1週間。我等が「勇翔」の様子を見に行ってきました。少しだけ開けられた蓋の隙間からもろみが。「おおっ、発酵が進んでるよ。」 写真撮影を終えた後、蔵の人にお願いしてもろみの味をみさせていただきました。酒母のときには高かった吟醸香も和らぎ、口に含んだ瞬間、くだもののような甘酸っぱい酸味が口の中に広がります。酸味が消えると同時に辛さが広がり、キリッと引き締まった感じのもろみに変身しておりました。これからどんな変身を遂げていくのか楽しみですね。ではまた。。。

おおっ、発酵してます
だんだん泡が盛り上がってきました



  12月26日(金)

「勇翔」どうなっているんだろうなぁ?遅くても年明けには搾るっていってたしなぁ?気になりながらも年末の忙しさとお歳暮の配達でなかなか大谷さんに立ち寄ることができなかったのですがたまたま、東伯の方へ配達があり、様子をみてきました。残念ながらおやっさんは不在ということで詳しい日程等は解らなかったのですが、年内には搾れるだろうという事を蔵の人から聞きました。さて勇翔はもうすっかり泡も落ちひそやかに搾られる時を待っているかのようでした。(今日は写真、味見なし)


  12月28日(日)

前日、大谷酒造さんから明日ふなあげすると連絡がありました。雪の残る寒い日曜日とうとう勇翔を搾るときがきました。とはいっても桶で汲んで搾るわけではなく、コンプレッサーを使って搾り機にもろみを送り出して搾るという状況でした。最後はモロミが硬くなっるのでモロミを混ぜるて程よいバランスでモロミを送り出す作業をさせていただきました。しかし、最後は硬くなり、出てきた酒を混ぜてモロミを緩くして、またタンクの周りについたモロミも勇翔を掛けながらきれいに取り除き搾り出しました。終始、米の一粒たりとも無駄にしないという意気込みが伝わってきた今回の酒造りでした。
さてお味の方はと言いますと、サラリとした口当たりで、若干の酸味、米のうまみが口の中に広がりその味が消えると辛さが追いかけてくるモロミの味をよりクリアにした感じのお酒でした。前回みた時よりも酸味が和らぎ、旨味が増えていました。しかしグビッと飲みたかったなぁ。おとなしく搾りたて生原酒の発売を待ちますか・・・

コンプレッサーでモロミを搾り機へ送り出す
巨大な搾り機です
搾り機から勇翔が出てきましたよ
もろみが硬くならないように混ぜる




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