リーチ攻撃に対して2

  相手のリーチを受けるというのは、全局中半分以上で起こる一つのパターンです。それをより細かいパターンに分けて、それぞれにおいてどう対処すれば、順位期待値が高くなるかを明らかにしていくことが必要です。相手がリーチということは当然ですが、相手はテンパイと言うことです。麻雀は最初に上がった者だけが、果実を受け取ることが出来るというスピード競争でもありますから、自分の手がイーシャンテン、リャンシャンテンだとしたら、明らかに分が悪いと言えます。このスピードの観点によって、全ツッパ、回し、ベタオリの3つの対応にパターン化していくのがいいです。

  全ツッパパターンの代表は、追っかけリーチです。あとダマテンとか、イーシャンテンでも全ツッパする事もあるでしょう。全ツッパはとにかく相手の待ちを考慮せず、自分の手具合を崩さない態度と定義できます。また、これは、通るという根拠のない牌をきるということも意味します。
  ベタオリパターンは、とにかく相手に振り込まないという選択です。この選択は、報酬はゼロです。上がりは勿論、ノーテン罰符による収入も期待しないと定義します。ただ、2軒リーチとか、2軒テンパイに対して、どちらか一方には絶対振らないという打ち方も、ベタオリパターンに含めたらいいと思います。手の進行具合で言えば、リャンシャンテン以下、イーシャンテン、あるいはテンパイしているときでもこの対応をします。このパターンにおいては、より失点の少ない牌を優先して切る事を意味します。
  回しパターンとは、上がりやノーテン罰符による収入を諦めず、尚かつ振り込みを避けるという選択です。私の場合このパターンが7割を越えると思います。みなさんにとっても一番多いパターンだと思います。またこのパターンは、状況によって全ツッパ、ベタオリに転向します。手の進行具合で言えば、テンパイ、イーシャンテン、リャンシャンテン時における対応でしょう。このパターンにおいては、切る牌にすべて意味が含まれます。ワンチャンスだとか、筋だからとか。
あるいは、他の待ちの可能性も多分にあるなんていう根拠の非常に薄いものまで含まれます。

さて、一方リーチにはどんなパターンがあるのでしょう。ここでは、自然な待ちか、変則待ちか等という分け方ではなく、リーチ者の意図によって分類してみます。
  ひとつは、上がれると踏んだリーチ。出上がりが期待できる待ちだとか、多面チャンで、ツモ上がりが期待できるとか。
  次は、上がれる確信はないけど、上がりたいというリーチがあります。
  最後は、上がりたいというより、人の上がりを牽制するリーチです。
リーチは、上記の3つの意図が複数絡まった形で掛けられることになります。当然、裏ドラやツモ、一発の期待も加味されたものとなります。

  先ほどリーチへの対応として3つのパターンを上げましたが、この3つのパターン、振り込みということに関して言えば、全ツッパ、回し、ベタオリの順に数値が高くなります。収入と言うことに関して言えば、その順番は逆になると思います。私の経験で言えば、強気麻雀も、守備麻雀も高い平均順位は無理です。明らかに強気と守備の中間に高い平均順位があります。このことは、リーチへの対応としての先の3つ、全ツッパ、回し、ベタオリにもきれいに対応します。全ツッパ、ベタオリを全く否定するわけではないのですが、この考え方には、思考停止を伴いやすいという問題があると思います。知的ゲームである麻雀においては、より多く、より正しく考えた者が、勝者です。ならば、回しの範囲をより広く取り、全ツッパやベタオリを内包する形にするのがよいです。数値として全ツッパを1、回しを3、ベタオリを5として設定したとき、リーチへの対応として、他の条件を加味しなければ、4ぐらいにスタンスを置くのがベストだと思います。

さて、4にスタンスを置いたとして、また元に戻りパターン別の対応を考えてみましょう。私は、全ツッパするにしても、待ちを一点は読むべきだと思います。別に読みが外れてもかまいません。読むべき態度が、思考停止を回避する事に繋がる点を評価するからです。ベタオリについても、ただ自分が振らないことだけに腐心するのではなく、他の2者を、テンパらせないようにしたり、あるいは、振り込み合いをさせたりするような努力を欠かさないことが大事です。回すとは、どの程度まで勝負するか調整する事を意味します。振り込みを押さえる方に傾けば、切れる牌は少なくなりますし、逆に切れる範囲を広げれば、相手のいい待ちなどは無視する事になります。まとめますと、相手のリーチというパターンに対して、自分の手の進行具合と他の素材(相手、前提)等を加味して、回しを中心に打っていきましょう。

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