配牌とツモ

麻雀は、配牌13枚とツモ17、18枚、それに、鳴きを加えて手を完成させるわけです。よく「麻雀は、ツモだ」と言われますが、この言葉は、非常に怪しい。一局において、平均すれば、9順前後で最初の聴牌者が出るのが麻雀です。ということは、配牌13枚とツモ牌9枚前後の組み合わせで、聴牌形になるわけです。しかも、ツモ牌は、1枚ツモっては、1枚切る作業の繰り返しなので、ツモ牌の順番によって大きく左右されます。つまり、ツモ牌をすべて有効に使いきることは、かなり困難な事だと言えます。麻雀劇画などでは、酷い配牌でも、強い引きによって、素晴らしい聴牌に仕上げる場面を何度も目にしますが、これは、単なるまやかしに過ぎません。麻雀は、配牌を最大限有効に利用し、ツモの助けを受けながら、手を完成させていくゲームなのです。雀譜などを使って、4者の配牌を見比べ、誰が、上がりそうか予想してみてください。多分、半分ぐらいは当たると思います。まー、いい加減な前提といい加減な結論ではありますが、1局の勝敗の半分は、配牌が握っていると言って良いと思います。

配牌の重要性は理解できると思いますが、これは、はっきり言ってどうしようもありません。我々に出来ることは、ツモの助けを使って、配牌を最大限に活かすことです。配牌を最大限活かすとは、どういいことでしょうか。1つには、手役があります。萬子が8、9枚あるのに、筒子のホンイツを狙う馬鹿はいないでしょう。けれど、それ以上に大事なのは、手を完成させるまでの、受け入れ枚数を狭めないという事だと思います。立派な構想を描いたとしても、極端に受け入れ枚数が少なければ、画餅に帰すでしょう。しかし逆に、受け入れ枚数だけを優先させれば、ただの安い手にしかならないことも多いですし、ポンチー牌や危険牌をバンバン切る形になりますから、人に鳴かれて、逆に相手の聴牌を受ける格好になってしまうことも多いと言えます。実際の切り牌は、相手状況、狙う役、牌効率の3つの絡みの中で、決められます。切り牌選択において、優先的に考慮する点に、敢えて、優先順位を付ければ、相手状況、牌効率、役という順番でしょうか。相手状況が不透明ならば、自分の牌効率や手役を優先しても良いでしょう。

字牌だけ、数牌だけに限れば、他の項目で書いたように、有効性に順番を付けることが出来ます。しかし、字牌と数牌が混在しているのが麻雀の現実であり、それに優先順位を付けることは、どうでしょう。一般論としては、順番付けは可能だとは思いますが、ナンセンスだと思います。配牌は、千差万別であり、そこから狙える役を追求していくのですが、その役によって、有効性の順番が大幅に変わるからです。例えば、平和を狙うとします。塔子や面子の数がいくつあるか、雀頭が、確定しているかどうかによって、切り出し順は、大幅に変わります。雀頭がなければ、役牌は雀頭にはなりませんから、真っ先に切り出すこととなります。しかし、雀頭が確定していて、塔子や、面子の数が十分に有れば、特急券である役牌は絞る形に持っていきます。断ピンが狙えそうならば、1、9牌が先に切り出される格好になります。ピンフもタンヤオも狙えそうもない配牌においては、役牌を重ねることが、重要になってくることも多いです。たとえ重ねることが出来なくても、役牌を絞る格好になりますから、相手の早上がりを阻止する利点があります。また配牌は形が整っていない分、逆にいろんな役の可能性を秘めているとも言えます。役は、1つに絞るべきものではなく、2つ、3つの可能性を考えながら、方向性を打ち出していくものです。どんな配牌なら、何を狙っていくかについては、「配牌何を切る」を参考にしてください。「配牌何を切る」は、これからも鋭意拡充していく予定です。

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