延命の水


広島県との県境に近い島根県横田町。たたらや工芸の資料館がとても多い町で、昔から、「ものを作る技術が進んでいた」ことがよくわかります。

 また、神話が多い島根県にあるだけあって、横田町にもたくさんの昔話があるようです。

 さて、そこを通る線路、木次線。昔は広島市と米子市を約6時間(!)で結ぶ急行が通っておりました。私が小学生だった頃、その急行が廃止されるということで、いとこ二人と共に小学生トリオで、乗車し、米子の親戚の家まで旅行したことがありました。

 有名なスイッチバックで峠を越え、ある山奥の駅になると、お客さんがたくさん降りていくではないですか。何でだろうと窓の外を見ると、皆さん、どうやら、そこらへんに出ている水を飲んでいるではありませんか!

こんな駅の中にあるんです。(写真左側)

休日ともなればたくさんの人が訪れます。

 前フリが長くなりましたが、ようやく本題に入ります。これが、今回お話する「延命の水」です。その駅名は「出雲坂根(いずもさかね)駅」。この駅のホームの中からつめた〜い水が流れております。

 この水が、またうまいっ!汽車に乗っていたお客さんが次々降りていって、この水を飲んでいたわけもわかります。名前もいいですしね。

 残念ながら、先日訪れたときには、今夏の大雨のせいでしょうか。駅のホームの湧き水は出なくなっていました。その代わり、駅の下の川縁から出ており、この日も水を汲む人で賑わっていました。私たちも、もちろん持ち帰り、味噌汁やご飯、カルピス、ウイスキーなどに利用しています。

もちろん、そのまま飲んでもおいしい!(暑いところにおいて腐らせないように!)

 以前の話し、水を汲みに行ったとき、同じく水を汲みに来ている人と談笑していました。そのときどこからきたかと言う話になったのです。私は「鳥取県なんですが倉吉から」と遠いとこからきてるだろう!と自慢げに言ってみたのですが、なんと、その人は広島県の倉橋町から来ていた!

 何でも、学生時代に島根で過ごされていたらしいですが、はるばる来られているのは、びっくりしました。それだけいい水なんだということでしょうか...

 この付近、結構ほかにも見所があります。そのまま汽車に乗ってスイッチバックを体験するも良し、山に向かえば、道がそのまま2回転し、大きな橋を渡る、おろちループもあります。また、海方面に向かえば、冒頭にお話しました、多種多様の博物館。また、渓谷もきれいです。ここから30分ほど北に向かいますと、「鬼の舌震(おにのしたぶる)」があります。

 アップダウンの激しい渓谷ですが、水も木も山も、とてもきれいです。これから、紅葉の季節。そうなるとこの景色のすばらしさが倍増します。残念ながら、写真がないので皆さんに画を見せることができませんが、今年もまた行って、そのときは写真をとり、アップしようと思います。ただ、ひとつ残念なのは、遊歩道の一部が、これまた大雨で流され、通行禁止になっている部分があることです。もう、直っているといいですが・・・