大権修理菩薩像

極彩色仕上げの仏像は漆塗りにくらべ塗りの耐久性が弱く
(胡粉下地、泥下地の耐用年数は1〜200年程度といわれる)
退色、剥離、ひび割れ、虫食いなどが多くみられます。



本像はヒノキ材の寄木造りで、腕部の墨書から
京仏師 田中紋蔵作と判明しました。

現状としてはニカワの劣化による緩みやひび、各部の摩滅、
彩色および下地の剥離がみられました。

仏像を洗浄し彩色と胡粉下地
をはがし、木地状態にして
十分に乾燥させます。

水分計で測りよく乾燥したら
各部を組み立てて行きます。

組み立てが完了したところ

欠けている指先などはヒノキ材を継ぎ足し
材と材を貼り合わせたとき生じたすきま
(事後変化により木がやせたり反ったりするため)
に薄い木切れやコクソ(漆と木屑などを混ぜた充填剤)で埋め

整形後、矧ぎ目に紙、底面に布を貼りつけておきます。

こちらが完成状態です

木地にヤ二止めを行い、漆器用下地を
塗り研磨、この工程を二度繰り返して
ようやく彩色します。

彩色はまず衣服の龍や獅子の盛り上げを施し
金箔を貼り、修理前の状態を参考に描いて行き
その後本体色を塗り、細かい文様を描き終了

各部を組み上げ完成です。