仏像修復
今回は台座光背を塗り直し、像本体は部分的修理と
修理箇所の古色仕上げとさせていただきました。

台座と本体は近年の修理(再接合と下地付けなど)が
施してありましたが、部分的に矧ぎ目がずれたまま
接合してあるところや、熱害の影響でしょうか、
布張りと下地の層が捲れ上がり木地が露出している
箇所がありました。

まずは各部の剥離部分に剥落止め(国宝修理などでも実績のあるアクリル樹脂を使用)を施し、
大きな段差や欠損部にコクソ(漆に木屑などを混ぜた充填材)を盛り付けます。
コクソが乾燥したら削って整形し、補修箇所や軽度のへこみに錆地(漆に砥の粉を混ぜた
高強度の下地)を付けて行きます。

錆地が十分に乾燥しましたら、研ぎ上げ上塗りとして摺り漆を施しますが、
錆固めを兼ね数回塗り重ね、生漆独特のなめらかな半つや消し状態に仕上げます。

お顔などはとても状態がよく、玉眼や肉髻朱、白毫の磨き直しと剥落止め程度で
仕上げ、台座は完全解体修理(弊ページの大日如来を参照)し、光背ともに塗り直し、
総金箔仕上げといたしました。

修復前

完成しました!

納入状態

摺り漆が乾いたら今度は金箔を貼って行きますが、オリジナルのままの部分もあるので
気をつけながら貼りこんで行き、新たに金箔を捺した部分に古色仕上げを施します。

前面の剥落

矧ぎ目のズレ

背面

各部にコクソ充填後 錆地を盛り付けた状態

オリジナル部分との境を考慮しながら摺り漆を施す

修復後の完成状態

同じく、部分修理を終えた観音、勢至菩薩像を伴い納入された阿弥陀如来像
新たに塗り直しを施した仏像と違い質感のある落着いた趣きとなった。

(しかし、造立当初はまばゆいばかりの金色づくしで、塗り直しの極彩色仕上げ
とともに好みの分かれるところではあります)

本像は身丈三尺の安阿弥陀様でよく知られる 浄土型阿弥陀如来像です。