12月20日(土)にバードスタジアムで天皇杯4回戦が行われます.観客動員力の不足ということで,Jリーグ公式戦が今年度1度も行われなかった鳥取にとって,唯一トップリーガのゲームを見る機会ということになりました.
鳥取県サッカー協会は,今回の試合をできるだけ多くの人に見に来てもらおうと,全支部(東中西)あげてチケットの販売促進を行っています.
これにあたり,当ホームページでは「サッカーを見に出かけよう」キャンペーンを行います.これは単に天皇杯を見に行こうということだけでなく,プロ・アマチュアあるいは競技力のいかんに関わらずあらゆるレベルのスポーツの現場に,「見ている人」がいるような…そんなスポーツ文化を作ることがねらいです.
スポーツをする者がいれば「競技」は成り立ちますが,それを見る者がいなければ「文化」にはなりません.スポーツを見に出かけることを,多くの人たちが習慣として,気軽に楽しむことができるようになってこそ,本当に定着した文化としてのスポーツとなると思います.
実をいうと,県協会での申し合わせにより,中部支部(中部サッカー協会)には,500枚のチケット販売目標が設定されています.1クラブ平均すると10枚程度にもなります.加盟クラブのみなさんに対して,「買ってください」というだけでは間に合いません,どうぞ「売り上げてください」とお願いしなければならないものです.
しかし,それをノルマといって押しつけるだけではあまりに消極的で,無責任というものです.販売促進の趣旨と裏付けを提供する目的で,このキャンペーンを提示しました.
みなさんが,チケットの販売とともに,スポーツ文化の普及に力をお貸しいただくことを,強くお願いいたします.
以下に,このキャンペーンの趣意を書きましたのでどうぞお読みください.
☆ なお,このキャンペーンの実施については,中部サッカー協会の理事会に報告し,中部サッカー協会でのチケット販売の責任者として私(川本)が執筆しています.
中部サッカー協会事務局長 川本恵介
たとえば,中部リーグ(中部社会人サッカーリーグ)のゲームに,数十名の観衆がいるような光景を想像してみてください.
家族連れだったり,若い女の子達だったり,はたまた老夫婦だったり…
通りがかりで足を止めただけの人もいれば,常連もいる.
大きな声援も飛べば,クールな解説者はだしも居る.
とにかく,みなサッカーのゲームを楽しんでいるのです.
たとえ数十名とはいえ,あなた達のプレーを見に来ている人たちの前で,プレーをしている自分を想像してみてください.あなた達のプレーに対して,拍手が起きたり,歓声が聞こえたりします.(中には,ヤジもあるかも)….ちょっとがんばっちゃおうかな−と誰でも思うことでしょう.
あなたが審判だったらどうでしょう.いい加減なことはできません.
運営担当もうかうかできません.
観衆がいるということで,ゲーム(あるいはリーグ)は,間違いなく質をたかめるでしょう.
また,みな,より充実感を得ることになるでしょう.
身内が出てるわけでもないのに,(有料ではないにせよ)だれが中部リーグの試合をわざわざ見に来るの?なんて,大半の方は思うのではないでしょうか.でも,決して夢物語ではありません.
ほとんどのサッカーの現場は,今のところ,「見てもらう」ことを前提にしていません.「見てもらう」ことを前提にして,見るに耐える競技会づくりを目指したらどうでしょう.(プレーの技術的な面にはそれなりの限界はあるでしょうが,)マナーや,審判し,運営方法など工夫のしどころです.試合の案内などの広報活動もしたらどうでしょう.観衆へのサービスも考えたらどうでしょう?
また,ほとんどのサッカー関係者が「サッカーはやるものだ」と決めつけてはいないでしょうか?「サッカーを見に出かける」のもサッカーの大事な楽しみ方です.サッカーを見に出かけることをどんどん奨励してはどうでしょう.小学生が中部リーグを見に出かけたり,保護者でなくても中学校の大会を見にいって楽しいはずです.プロのゲームなどは,超みものです.バードスタジアムに来るゲームを見逃す手はありません.
サッカーの会場に,観衆を集めること.工夫次第で実現できると思いませんか?
「見てもらう」ために作り,「見に出かけて」楽しむ. この地域のサッカー世界ではあまりなじみのある意識ではありませんが,他の文化活動では,実はあたりまえのことです.
文化活動として,絵画や音楽,舞台芸術などは,それを見る者なしには成り立ちません.見てもらうことを前提に作られ,そして,現実に見てもらい,評価され(感動やその他の印象も含み),その評価がクリエーターの創作意欲に還元されています.
サッカーも,見る者に感動(やその他の印象)を大いに与えます.その感動(やその他の印象)がまたプレーヤーに新たなモチベーション(動機)をもたらします.その点でサッカーも明らかに文化活動としての価値を充備えているのです.サッカー会場に人が集まれば,「サッカーが文化になる」わけです.
ところがサッカー(その他のスポーツも)は,芸術活動と違って,見る者(観衆)なしでも成り立ってしまいます. それは,「文化」である以前に「競技」であるからで,選手は勝ち負けだけを頼りにがんばり,興じることも可能なのです.そして,そこにあるのは,「文化的でないサッカー」です.
残念ながら,このようなサッカーが,この地区でも多く見られます.
たとえば,★時間どおりに選手が集まらない. ★点差が開けばゲームが荒れる.
★審判がいい加減. ★やたら文句をいう.けんかをする. ★手を抜いたプレーが多い.
★オフザピッチのマナーが悪い. ★わがままなプレーが多い. ★チームプレーを無視したひとりよがりのファインプレー続出.
などなど,人前ではできないだろう…というようなことが,そこには横行しているようです.
そして,そのようなサッカー界は社会的信用をうしない,人を育てる場としての資格を失うことにもなるでしょう.
やはり,サッカーは「見てもらう」ことを前提にしてで,しっかりと文化的であるべきなのです..
サッカーを文化に育てましょう.
そのために
「見てもらうこと」を前提に競技会や試合を行う.
「サッカーを見に出かけて」楽しむことを慣習化する.
これが,キャンペーンのまとめです.
天皇杯はぜひ見に出かけてみたいものです.プロの選手のプレー,そこにうまれる感動.サッカーが文化である最高の現場です.
観客なしに,プロの選手はあり得ません.プロの選手達は,真剣に,見ている者に責任をもち,最高のパフォーマンスを発揮し,感動をもたらします.
プロの選手は,スタジアムにいる何千人もの中で,おそらく最もサッカーの上手でしょう.サッカーがうまいといって,観客を見下すプロの選手がいるでしょうか? 彼らは,必死にプレーしつつも,観客に感謝を忘れません.
そんな,すばらしいプロ選手に会いに,天皇杯を見に出かけましょう.