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山陰民具
(その二十一)
〜  神無月の骨董  女性諸芸図 筒描(つつが)き夜具地  〜
『女性諸芸図 筒描(つつが)き夜具地』
江戸の後期から昭和の初期にかけて、木綿布の夜具(布団)は山陰ではごく一般的であった。その裏面のほとんどは無地の藍染めであったが、表面の模様は、縞・絣・小紋型染め・筒描き染めといった様々な技法で華やかに彩られていた。
最後の筒描き技法とは、ケーキにクリームをデコレーションするのと同じやり方で木綿布の上に糊を打ち、そこだけが染まらぬ様にして模様を浮き上がらせたものである。
そして恐らく出雲で作られたであろうこの夜具地は、藍染めの後に黄色をかけた緑に近い色合いの物だが、筒描きによるその模様は、よくぞこんな発想ができたという面白い図柄となっている。
風炉釜や茶筅羽箒は茶道、一枝の花と鋏は華道、短冊と筆は和歌、扇は舞い、絣にも似た模様のある巾着は裁縫、という風に当時の女性の習い事・芸事を表した物である。
当時の布団は嫁入り道具として作られた物が多いのだが、この模様を見ると、親がどんな思いで愛娘を嫁がせたかがうかがえる一品であろう。

ゴキブリ考(その1)――先日、かつて山陰民具の貸家だった家の二階で今は民具子の遊び場となっている部屋で、したたかに飲んでひっくり返って寝てしまった。
真夜中の二時頃ふと目が覚めると、頭の横の押し入れのふすまの上を一匹の大きなゴキブリが、辺りを窺うようにチョロチョロはい回っているではないか。
その時私が思った事…ゴキブリのゴキは「呉器」、つまり中国の呉の国から伝わったお碗形の食器で、その間から頭を出してさもその器をかぶっているかの如く見えるので「ごきかぶり」がゴキブリになったという話を聞いた様な気がする。
そしてさらには、空き家だったこの家にゴキブリが帰って来たというのは、近ごろちょくちょく私が利用するので、人間ある所に餌有りと引っ越して来たのではないか。
そうか、空き家ばかりでゴキブリさえ住まない、そんな所なんか町じゃない。
しかしその直後私が、ハエ叩きとティッシュでそのゴキブリをやっつけたろ一という行動に出たのは勿論の事で、それは子供の頃からの条件反射なのでお許し願いたいが、取り逃がしたゴキブリに「よくぞ逃げた!」と思わず喝采を送ってしまった。
赤瓦骨董市(10月)


とき 10月8〜10日

ところ 倉吉白壁土蔵 赤瓦1号館

主 催  山 陰 民 具
(2005/10/04)
コラム :  「山陰民具」 倉吉市西岩倉町2196 田村幹夫
◎ −山陰民具− 骨董道 (バックナンバー)
≫ その壱 如月の骨董「倉吉きざみ天神」
≫ その弐 弥生の骨董「【菅楯彦】の紅梅」
≫ その参 卯月の骨董「唐草九曜星紋散らし 文庫硯」
≫ その四 皐月の骨董「切子ガラス電灯傘」
≫ その五 水無月の骨董「誓願寺旧蔵『鉦』」
≫ その六 文月の骨董「斎江製 罐子」
≫ その七 葉月の骨董「倉吉絣」
≫ その八 長月の骨董「無弟(長谷川富三郎)板画 『長谷の市』」
≫ その九 神無月の骨董「越中町『平岩自転車店』看板」
≫ その十 霜月の骨董「清水公照作 絵皿『花風走心』」
≫ その十壱 師走の骨董「山陰民具 梁(はり)組み」
≫ その十弐 睦月の骨董「南総里見八犬伝役者絵」
≫ その十参 如月の骨董「備後屋張り子 『鯛えびす』」
≫ その十四 弥生の骨董「土方稲嶺筆『孔明』図」
≫ その十五 卯月の骨董「因久山焼き 水指」
≫ その十六 皐月の骨董「三徳山 『元三大師』 厄除け護符」
≫ その十七 水無月の骨董「牛ノ戸焼 山水図大皿」
≫ その十八 文月の骨董「木綿筒描き屋台法被(子供用)」
≫ その十九 葉月の骨董「橋本独山筆 『満山雲煙』 水墨山水図」
≫ その二十 長月の骨董「上神焼き 玉伯花瓶」
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