『居酒屋漂流な人びと 今宵、達人・太田和彦さんに聞く』という毎日新聞の記事を読んだ。(ちゅぶラリンのスタッフに聞いて)読まれた方もいらしゃると思います。実は、この太田和彦さん、フリーライターの藤田千恵子さんを通じて、当店からお酒を買われたこともあります。それ以来、メルマガを毎回強制的(?)にお送りさせてもらってます。
そこで今回は、居酒屋について書いてみようと思います。彼のような見方ではないですけどね。私の場合。
太田さんは「いい酒、いい人、いい肴」と言っています。そして「いい人」というのがその最大のキーポイントであると。まさに名言であろうと思います。
私は、家で仕事していますから、あまり外には飲みに行けません。終わってからって思われるでしょうが、その時間に良いネタが残っているわけありませんからね。
仕事帰りに一杯、憧れでもあります。
暖簾をくぐるとそこには、笑顔で迎えてくれる店主と気の置けない仲間達。誰が何の仕事してるかなんて、飲んでいる時には無関心がいい。そこには異空間ともいえる非日常がなければならないと思う。そこだけの会話、そこだけのルール、そこだけに流れる時間。入ってくる時には、ネクタイを緩め、出て行く時にはまた結びなおすくらいの差が欲しい。
気さくな店主は話しベタな話好きが良い。噂話はしないのが良い。口が固いのは鉄則だ。頭が良いのか悪いのかわからない人が素敵。
店内は、明るすぎず、暗すぎず。厨房ははっきり見え、手元や料理は照らされているが、客人同士の顔、三人位先までがよく見えて、後は薄ぼんやりが安心する。たまの朗らかな大声は許すとするが、一気なんていう掛け声は完全無用。季節の花くらいは欲しいもんだ。
お酒は、ビールはなるべく麦芽100%であって欲しい。偽物ビールもどきは却下です。ビールの温度だって年中一緒でない方が旨いと知っている店主の店で飲みたいもんだ。グラスやジョッキまで凍るほど冷すのは、旨かないし、唇痛いの知らないか?チューハイもあっても良いが、タップを倒せばでてくるような代物は勘弁して欲しい。ホッピーも、ちゃんとした焼酎とソーダで作るのならOKOK。焼酎が韓国焼酎なんて店には入らない。できれば常圧蒸留で、原料の味がちゃんとわかる焼酎を出して欲しい。「お客さん、その焼酎はロックで」なんて店員や店主がいたら、蹴飛ばしてやる。日本酒は純米酒にして下され。他もあっても許すけど、純米なしなんて「うちは酒ないです」って言ってもらった方が気が楽だ。「この純米酒は冷やで飲んでくれ」なんて言いやがったら、「てめぇ出直して来い」のカウンターパンチだ。お燗の温度も、酒に合わせるだけじゃなく客人の体調に合わせてくれる店は抜群。それぞれのお酒の味を聞けばちゃんと答えてくれる店がいい。飲んだことも無い店主は問題外。飲んでも自作の料理と楽しんでいない人はダメダメ。
お料理、自分で作れない人は居酒屋しちゃだめ。インスタント出すのな ら、光熱費は払うけどそれ以上は払えない。化学調味料が並ぶ店はゲロ吐いちゃうから、掃除が大変だ。調味料も自店で工夫(ブレンドするなど)しない店は流行らない。
素材はなにも高級素材だけを求めちゃいない。だって料亭じゃないんだから。でも、季節感のある新鮮素材を美味しいタイミング(新鮮だから即出せば良いってもんじゃなかろう)で出してくれるのがベスト。生も旨いけど、敢えて客人のリクエストに応えて、焼きにしてくれたり、揚げてくれたり、煮てくれるだけの許容も重要。そして、店でしか食べられない店主の手作り秘蔵品(例えば、店主の作ったからすみetc)があれば更に良い。
配膳も店主の目配りが欲しい。客人の食べるペース、飲むペースをその目でつかみ、ジャストのタイミングで出してくれ。話に花が咲いているところは、ゆっくりでも良いかもしれない。飲み物を余韻も含めて楽しんでいる人に、即座のおかわりは鬱陶しい。
「お勘定お願い」って言って、客人が帰る時「今日のお酒は旨かったよ」という店は半人前。「今日のお料理(肴)旨かったよ、ありがとう」って店が一人前さ。酒は料理の引き立て役。
こんな居心地のいい店が居酒屋であって欲しい。
「そんな店あるかよ!」ですか?
それは、あんたの世間が狭いだけ。実際に行ったことのある店をもとに書いたまで。
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