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お酒は二十歳になってから(山枡酒店)
Vol.11 年の瀬
最近、無礼者、無骨者が増えたとはいえ、年末といえば「お歳暮」シーズンである。個人的には、中元、歳暮の年に二回の贈り物で一年間の非礼を詫び、恩義に礼することができると思えば、こんなに安上がりな事は無いなどと、無礼なことも考えてしまう。「同じ無礼者が何を言う」なんて言われたら癪だから、先に言っておくが無礼にもランクがあらぁね。動機はどうであれ、しない無礼者とは一緒にして欲しくない。

さて、お歳暮(中元でも、お年始でも良いが)にはどんな物を贈るのが良いのだろうか?伝統的にはどういう物が贈られていただろう。
帝京大学教授:天野武氏の文献から
『往時、年末におけるツケトドケ(付け届け)の品としては、山村にあってはクルミ(胡桃)の実や捕ったノウサギであり、海産物の入手しやすいところではブリ(鰤)や干しアワビ(鮑)の類であり、農村にあっては新たに収穫したモチゴメ(糯米)・アズキ(小豆)などが多く、それらと同等もしくはそれ以上のものとされたのが酒であったのである。ツケトドケの品、つまりは贈答の品には、日頃口にしない珍しいものが分相応に選ばれたのであり、それにはまた、贈られた相手が年末、年始の行事に欠かせないものとして用いられるものだったのである。』『通常、年始の客には冷酒としての屠蘇、次いで燗酒が振舞われる・・・』
とある。

つまりだ、「珍しい物」「分相応の物」「年始に客をもてなす物」なのである。
昨今は、もてなすスタイルも変化してきているとは思うが、とは言え「いっつもあの人は、発泡酒飲んどんなるけぇ」とか、「あぁ、○竹○がえぇでないかぇ」なんておかしな話なのである。
スタイル変化ゆえ完全否定はしないが、ビールだってどうかと思うよ。幸か不幸かこれだけ日常の中に溶け込んでしまっている現状では珍しさの欠片も無い。おまけに頭文字が「A」の銀色の缶のビールなんて、発泡酒を除けば、「瓶缶類の日(不燃物処理日)」にどれだけ多く見かけることか。

悲しいかな、「純米酒」はとても珍しい。上撰の希望小売金額(もうじき死語になるかも)でも美味しい純米酒が存在するのであるから「分相応」に贈る事ができる。年始の冷酒にも当てはまるし、お燗も旨い。どうだ!これこそお歳暮にピッタリ合致している物はないだろう!くどいがもう一度言うぞ。純米酒なんだ、上撰じゃないぞ、上撰は珍しくないぞ。(言いながら「純米が珍しい」なんてと、また悲しさがこみ上げてくる)
もう一つ、言っておこう。誰もが経験済みのことだとは思うが、あのきらびやかな「いかにもお歳暮でござい」っていう飾りは、もらった瞬間からゴミと化す。まさか食べる人はいないだろう。外装が派手派手な分も小売り金額に上乗せされていることを忘れてはいけない。


ところで、このコラム、もう11回目を迎えたわけだが、これを読んでいったいどう思ったのか、私は知りたくなってきた。自分の店を見る限り、全く地元には効果なしと感じているのだが…。もちろん、地元以外では声援を聞くのだが。
で、たまには聞いてみたい。
ご意見、ご質問のある方は>>>> yamu@mx5.tiki.ne.jp まで。
(2004/11/23)
コラム :  「(有)山枡酒店」 倉吉市新陽町11−2
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