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| Vol.6 「冷酒」とは |
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「冷酒ないかぇ?」って言葉、何度聞いても耳障りです。水道から出てくる水を見て「冷水ないかぇ?」って言っているのと同じなんですよ、これは。
もう、理解している人はこんなこと言わない人です。あなたは合格! それでも「何言ってんだ、何処飲みに言っても冷酒くれで通用するじゃないか」って言ってるあなたは、人の親切がわからない人です。
夏になったから、冷たいお酒。わかりますよ、生温かいよりはずっと飲みやすいですから。でも、考えてみてくださいね、冷酒はお酒の銘柄でもなければ(一社こんな馬鹿な銘柄をつけたところがあったような気もするが)、お酒の種類でも無いです。
飲むときの温度を表現しています。つまり、お燗でも*冷やでもなく、冷たく冷やしたお酒のことですよね。それが欲しいんですよね。でも、それってあまりに多くありすぎます。保管するのに冷蔵保存した方が良いものは冷蔵庫に入ってますから。
お酒は、冷たくすれば冷酒です。どんなに飲んだら死んでしまいそうなパック酒でも冷たくすれば冷酒です。水道の水も、冷蔵庫で冷やすから冷水、温かくすればお湯です。
飲み屋に行って「冷酒くれ」って偉そうに言うあなた。そして、それが事なげにその希望を叶えてもらっていたとしたら、それはもう、飲み屋の方に感謝しなければいけません。無知で日本語の変なあなたを温かな心、幼児をなだめるような心で迎えてくれているのですから。
日本酒業界は「生」だとか「生貯蔵酒」だとか、簡単にビール業界が真似できるキャッチフレーズを使い始めてから衰退の一途を辿っています。見てごらん、ビール業界に日本酒からパクッた言葉がいかに多く氾濫していることか。
挙句に、お酒も国産ビールのごとく新鮮なうちに飲まなければ美味しくないというような間違ったイメージまで与えてしまっている。
ビールは旨みが日本酒よりはるかに少ないし、ホップの苦味もあるので、冷たくなければ美味しくないことが多い。(黒ビールまで保管温度以外にも冷たくして飲んでしまうのには抵抗を感じるが) だからと言って日本酒まで同じにして欲しくないです。
今度、飲みに行ったら「300ml位のサイズで、純米か純米吟醸または吟醸、じゃなければ大吟醸でもいいや、冷やしてあるお酒ちょうだい」って注文すべきですね。
もし、その注文に飲み屋さんの人が「冷酒ですね」って答えたら、もうその店には行かないに限ります。少なくとも日本酒は注文されない方が安全です。(注意;外国の方がいらっしゃる店ならば、日本語が変でも仕方ありませんから、許してあげましょう)
*冷やというのは、温めない、冷たくしないお酒の状態を表します。落語で
「ハチの野郎、冷や酒なんて飲ませやがって!」と出てくるのは、お燗しないお酒のことですね。この時代に冷蔵庫はありませんでしたから。
ついでに、申し上げますと「お燗しないお酒」を客人に出すのは、無礼なことです。 |
(2004/6/24) |
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| コラム : 「(有)山枡酒店」 倉吉市新陽町11−2 |
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