今後、うつ病を再発しないために気をつけることと、そして、うつ病になりにくくするための生活の工夫や考えておきたいことを書いてみた。

 「あぶないかな?」と思ったら、以下の10項目を振り返るようにしたい。
               うつ病の予防と再発防止

 うつ病は早期に発見して、正しい治療を受ければ必ず治る病気です。
 ただ残念なことに、一度は治っても、再発してしまうケースが少なくないのも事実です。
 なぜなら、うつ病の発症には本人の性格が多かれ少なかれ関係しており、うつ病になりやすい性格傾向を持っている人は知らず知らずのうちに、過去に発症したときと同じような状況に再び陥りやすいからです。

 再発を予防するには、少量の薬を服用しつづける方法(維持療法)がありますが、それとともに本人が今までのライフスタイルを変えるようにつとめることが大切です。

 ここでは、うつ病の再発を防ぐために日常生活で心掛けてほしいことをあげていくことにします。
1.うつ病についての正しい知識を持つ

 再発を予防する第一歩は、うつ病についての正しい知識を持つことです。
 知人の口コミなどから得る断片的な情報ではなく、うつ病についてきちんと書かれた本を読むなどして、正確な知識を得ることが大切です。

 そして、自分の体調や薬のことなど、何か疑問点・気になることや不安なことが少しでもある場合には、主治医の先生に相談して、すみやかに解決しておくこと。

2.自分の性格傾向をよく自覚する

 うつ病になりやすい人には、生真面目、仕事熱心、凝り性、責任感が強いなどの性格的特徴がみられます。
 いずれも長所といってよい資質ですが、あまりにがんばって無理をしすぎると、心身ともに限界を超えてしまいます。
 元来、そうした正確傾向を持っているところに、なんらかのストレスが加わって、うつ病を発病したのだということを自分自身がよく認識する必要があります。
 ついついがんばって無理をしすぎてしまう自分の性格をよく自覚して、「これ以上やるとがんばりすぎになる。」と思いとどまり、少し手前でセーブするように日ごろから心掛けておくようにすることが特に必要です。

3.発病当時の状況を再びつくらない

 発病前の職場に復職したときは、「がんばろう!」「今までの分取り返そう!」などと頑張りすぎることが予想されます。
 そのとき、そこで頑張りすぎたことがうつ症状を起こしたことを良く自覚しておき、自分がどんな状況でうつ病を発症したのか、また初期症状はどんなだったかをよく思い出してみることです。
 うつ病にかかったことのある人は過去に発症したときと同様の状況に陥ったときに再発しやすく、また初期症状も同じような形であらわれることが多いからです。

 発症した当時と同様の状況に再び陥りそうになったときには意識的にその仕事をストップするようにつとめたい。
 たとえば「連日、残業がつづいているうちに、不眠や食欲低下などがあらわれ、鬱状態に陥った」という人の場合は、仕事が忙しくても、できるだけ残業はしないように調整して、それでももし不眠や食欲低下などの症状がみられたら、すぐに主治医の診察を受けるようにします。

4.ライフサイクルの変わり目に注意する

 うつ病はなんらかの「生活上の変化」がきっかけで発症する場合が多いものです。
 近親者の死亡、離婚、事業の失敗、失業などのつらい出来事はもちろんですが、結婚、出産、マイホームの完成、昇進など、うれしい出来事もうつ病のきっかけになります。

 よいことでも悪いことでも、なんらかの生活上の変化があったときには用心をして、休養や睡眠をじゅうぶんにとることが大切です。

 もしストレスがたまっていると少しでも感じたなら、すぐに主治医に相談しましょう。

5.ものごとは大事なことから片づけるようにする

 ものごとに優先順位をつけて、大事なことから片づけていくようにします。
 あれもこれもとがんばるのではなく、あれかこれかを選んで処理していくようにしてください。

 「明日できることは今日しない」というように気楽に考えて、ものごとにあたることが大切です。
 柔軟で余裕のある生活を心掛けましょう。

6.自分にかかる負担をなるべく少なくする

 なんでも一人でかかえ込まず、周囲の人に頼ったり、まかせることも大切です。
 他人にまかせられることはまかせて、自分にかかる負担を軽減してください。

 何かを頼まれても、無理だと思ったら「NO」と言える勇気も必要です。
7.趣味や運動などに時間をかける

 長年、仕事一筋の会社人間として生きてきた人や、子育てに人生をかけてきた人に「何か趣味を持て」と言っても、急にはなかなか思いつかないかもしれません。

 まずは、今まで目を向けなかったことに目を向けてみることが大事です。
 映画、音楽、絵画、俳句、園芸、スポーツなど、なんでもけっこうです。
 そして「おもしろそうだな」「やってみようかな」と少しでも興味をひくことがあれば、とりあえずやってみましょう。
  落ち込んだ気分を癒してくれる音楽やココロがスッキリする本などを読むのもいいと思います。
 「もう年だから恥ずかしい」とか「今更おっくう」などと考えるのではなくて、「今だからこそできる」という発想が大切です。

8.悪玉ストレスの解消につとめる

 適度なストレスは人間が生きていくためのエネルギー源となりますが、過度のストレス(悪玉ストレス)は心身に悪影響を与え、うつ病をはじめ、さまざまなストレス病の原因となります。

 運動や趣味などで発散して、とにかくストレスをため込みすぎないうちに解消することが大切です。

9.周囲や世間の目を気にしすぎない

 「こんなことをしたら、どう思われるだろうか?」とか「こんなことを言ったらきらわれるのでは?」などと周囲の目を気にしすぎるのはやめましょう。
 他人の評価にしばられず、マイペースを心掛けることが大切です。

10.食生活や睡眠にいつも気を配る

 ストレスに負けない体をつくるためには食生活にも注意する必要があります。
 また、うつ病を防ぐためにはじゅうぶんな休養をとることが最も重要ですから、毎晩ぐっすり眠れる環境をととのえることが大切になります。

 それに加えて、食欲不振や不眠はうつ病の初期症状として頻度の高いものなので、その意味でも食生活と睡眠には常に気を配っていただきたいものです。
 そして、もしもそうした症状がみとめられたら、すぐに主治医に相談するようにしてください。

以上の10項目は、うつ病関連の本を読んで書いたものです。