増え続ける教師のストレスと「メンタルトレーニング」 2003.11.14

『メールマガジン ■授業づくりネットワーク21□ 第160号』
                 −「メンタルトレーニング」−上條晴夫より引用

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■増え続ける教師のストレス 

 文部科学省の調べによると、病気休職者のうち、精神性疾患による休職者は、年々増え続けている。平成2年度には1017人だったものが、10年後の12年度は2262人に達し、13年度には2503人となっている。
 一般的に、教師のストレスの要因としては、「集団の中で、感情をコントロールできない、わがままな子供の増加という子供もたちの質の変化に、教師が対応できなくなっている」(小川博久)ことが上げられる。つまり教職という職業に起因する本質的なものがストレスの原因になっている。

■教師のためのメンタルトレーニングの必要性について

 サークル仲間のM氏に紹介をされて辻秀一著『スラムダンク勝利学』(集英社)を読み始めた。3年で20刷であるからよく売れている本である。
 著者はスポーツ・ドクター。「メンタルトレーニング」の第一人者である。

 「メンタルトレーニング」とは、現在のスポーツ選手に欠かすことのできなくなったメンタル面の強化訓練である。このトレーニングによって、これまでにない「本番に強い選手」「集中力の高い選手」「モチベーションの高い選手」などが生まれてきているという。たとえば、選手が試合の直前に自分の好きな音楽を聴いて、精神的な集中力を高めるような行動がその一つである。

 メンタルトレーニングでは、精神的な強さを身体的な強さと同じようにトレーングすることができる、と考える。ちなみに、メンタルトレーニングは、スポーツ以外でも、教育、芸能・音楽、ビジネス、健康で応用されている。
 学校教育の世界でも、「教え方の研究」と同時に、「メンタルの訓練」に関しても、もっと興味・関心が広がっていくことが必要なのではないかと考える。

 たとえば、前掲書にある次のような文言は極めて示唆的である。

 「一流の選手になればなるほど、ただ『勝ちたい』『優勝したい』などの漠然として結果だけを追い求めていくのではなく、勝利を手にするために必要な、それにふさわしい自らの変化をいつも求めているのです。従って変化を感じる能力、変化を楽しむ能力こそが、追い求める結果を手に入れるために必要になってくるということです。
 つまり変化の集大成が結果につながるということをよく理解しなければなりません」
 
 「さらに、良いところを見つける能力自体もつけなければなりません。
 なぜなら、自分たちの良いところを相手が出せないようにしてくるのが試合というものだからです。そんな中でも常に自分たちのよいところを見つけ出せる能力は、とても大切になってくるのです。仮に前半をうまく戦えなかったとしても、ハーフタイムにその中で良かったことは何なのかを見い出すようにするのです。
 そのためには、常にこの能力を養う心の習慣が必要になってきます」

 「目標達成によって手に入るものとは具体的には、感動する、自信がつく、誇りである、ホッとする、喜ぶ、など精神的なものが重要です。物質的なもの(例・お金やメダル)よりも精神的なものをしっかり考えている選手のほうがはるかに情熱が大きいことに気付きます。物質的なものの獲得は、その時点で満足されてしまいがちですが、精神的なものをイメージできる者は、そのことが再び次への挑戦と情熱につながっていきます」

■「メンタル」の広がりを期待して

 メンタルトレーニングは、チームならば講習会、個人ならばマンツーマンで講習を実施する。内容としては、「目標設定」「セルフトーク」「感情コントロール」「リラックス」などの心理的スキルについて指導を受ける。
 週1回が効果的だが、月1回や年2回、不定期の講習ということも多いようである。
 講習で紹介をした心理的スキルを毎日の練習で応用して、トレーニングをしていく。
 普通は、「メンタル」の役割の係を置いて訓練をする。
 
 都道府県の教育センターなどで、すでにトレーニングが実施されている気もするが、もっと教育界にも広がってよい考え方である。
 すでにビジネスマンなど一般向けのトレーニング講座はある。注目をしていきたい動きである。

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 運動におけるメンタルトレーニングは実用化され、効果も発揮されているが、教育の分野、ことに教育者サイドに対するメンタルな部分でのトレーニングなど聞いたこともない。
 教師のためのメンタルトレーニングがあれば、今までにも受けてみたいと思ったことがある。
しかし、現状では、職場の仲間に病気のことを伝えるのさえ遠慮しているのが現状である。
 人間ドッグのように年に何回か定期的に全員が受けられるシステムは望ましいと思う。
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