現在の木造建築を大きく分けると、伝統構法、在来構法、パネル構法
などがある。現在では在来構法が大半を占めています。
在来構法では柱は垂直加重だけに抵抗し水平加重に対しては、
壁だけの耐力に100%依存しています。
筋交により水平加重に抵抗しているだけです。つまり筋交と筋交が
くっついている柱だけが頑張り、残りの殆どの柱は遊んでいる状態
なのです。
壁だけに頼る在来構法は壁が耐力を失った途端倒れてしまいます。

また、在来構法の交差部分は金物に頼り木組みは使われていません。
木と金物は元々相性は悪く結露をおこしたり、時が経つと緩んでしまい
ます。
現代の在来構法は金物に頼りすぎて継ぎ手・仕口などが簡素化されて
います。そのため金物の強度がなくなった時、建物は非常に危険な状態
になってしまうのです。

伝統工法は柱の耐力を活かした構造を原点としています。
柱は壁に比べて合成が低いのでまず初めに壁が壊れます。
在来工法では壁が耐力を失ったら倒壊するのですが、伝統
工法はまず壁が壊れ、その後に柱の抵抗(柔軟性と粘り)が
発揮されるのです。そこが大きな安全性の違いとなっています。

阪神大震災が全壊10万棟を数えたのに対し、鳥取西部地震
では400棟にとどまった。
これは在来構法の壁100%依存する構法と伝統構法の柱をの
耐力を活かした構法との違いが大きな原因であった。

建物から壁と建具を取り去った時に残る架構を基本軸組という。
在来軸組から筋交をとり去った基本軸組は不安定架構であるが、
伝統構法は柱に足固め・桁固めがつくので安定架構となっている。
在来軸組では筋交が白蟻にやられたり、挫屈すると耐力は著しく
低下するが、伝統構法では数十本の柱と数百箇所の仕口に分散
して抵抗するので全部が同時に破壊することは極めて低く安全性
は高い。曲げ抵抗する為の木柄を太くし、接点を多くして
力を分散させることでより耐力を向上させている。